本日の気まぐれランチ!

 インフルエンザは、毎年、冬に大きな流行を繰り返しています。そのイメージが強いことから、「暖かくなってくれば、インフルエンザにかかる心配はない」と考えている方も多いと思います。ところが、埼玉県の高校で全校生徒966人のうち101人がインフルエンザの症状で欠席し、4月18日に学校閉鎖となったというニュースがありました。その1週間ほど前にも、有名な野球選手がインフルエンザにかかったということが話題となりました。そして、全国各地で散発的な流行が続いていることから、「春インフル」という言葉もみられるようになっています。

遅れて流行するB型

 日本におけるインフルエンザの流行は、通常は毎年12月頃に始まって、 翌年の1~3月にピークを迎えます。また、前半は、A型のインフルエンザが中心となって流行し、後半には、B型が増える傾向があります。そして、インフル流行のピークを越えても、5月上旬頃までは地域ごとに散発的な流行を起こすというのが典型的なパターンとなっています。

したがって、「春インフル」というのは、決して珍しいことではないのです。インフルエンザが冬に流行しやすいのは、気温や湿度の低下が関与していると考えられています。しかし、B型が遅く流行する理由なども含めて、季節的な流行の原因が詳しくわかっているわけではありません。

沖縄では夏に流行

 インフルエンザは、春だけでなく、夏にも発生することがあります。たとえば、2009年に世界的な大流行を起こした「新型インフルエンザ」は、夏頃には日本各地でも広がりはじめ、夏休み明けには全国的な流行となりました。しかし、このインフルエンザは、夏に流行する特別なウイルスだったわけではありません。その証拠に、この時に流行したウイルスは、翌年からは冬の流行を繰り返す普通のインフルエンザとなっています。

また、台湾や東南アジアなどの亜熱帯地域では、年間を通してインフルエンザの発生がみられています。つまり、インフルエンザは夏には発生しないというわけではないのです。

実は沖縄県でも、10年以上前から夏のインフルエンザ流行が起こるようになっています。その原因としては、亜熱帯地域からの旅行者の増加、エアコンによる室内の低温・乾燥、そして沖縄自体が亜熱帯化していることなどが指摘されています。しかし、旅行者の増加や、エアコンの使用は、沖縄に限ったことではありません。また、亜熱帯地域において、インフルエンザが通年性に発生する原因も明らかにはなっていないのです。

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