先日、ゲーム業界で一つの大きなニュースがありました。長年、多くの人々に親しまれてきた家庭用ゲーム機の「ディスク形式」のソフト販売が、数年後に終了するという発表です。
1994年の登場以来、ゲームの進化を支えてきたあの円盤形ソフトが、時代の流れとともにデジタル配信へと完全に移行する。かつてその進化の最先端だったものが、今や歴史のひと区切りを迎えようとしています。
ぼーっとしていると、時代はあっという間に形を変えていきます。このニュースを見たとき、私自身も深く考えさせられました。
もちろん、これは技術的な進歩であり、より効率的で自由な未来への「前進」に他なりません。しかし、私たちのようなアナログな世界で商売をしている人間からすると、あのディスクをケースから取り出し、本体にセットして起動を待つという、ほんの少しの手間や「物理的な重み」が、いかに豊かな体験だったかを改めて思い出さずにはいられません。
私たちのレストラン「Steakhouse Wagou」でも、DX化やデジタルツールによる発信は積極的に取り入れています。時代の変化に取り残されないよう、新しい技術で業務を効率化し、その分、お客様と向き合う時間を大切にしたいと考えているからです。
ですが、どれだけ時代がデジタルへシフトしても、変わらないものがあります。
それは、自家製の塩胡椒や出汁醤油で調える、私たちの味の哲学です。 どんなに便利な時代になっても、鉄板の前で素材と対話し、一つひとつ丁寧に焼き上げるという「手仕事」だけは、何かに置き換わることはありません。
効率化によって「時間」を生み出し、その時間を「料理の質」と「お客様との語らい」に注ぐ。 それこそが、私たちが目指す飲食店のDX化の形です。
時代の波を捉えながら、それでも譲れない「味」と「空間」を守り抜く。 円盤からデータへと形は変われど、心に刻まれる体験は変わらない。そんな店であり続けたいと、改めて背筋が伸びる思いです。
今夜も、西梅田のこの場所で、変わらぬこだわりとともにお待ちしております。

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