猛暑と水不足の時代に考える、自然の恵みと食のありがたみ

2025.08.29

異常気象と日常の食卓

ここ数年、夏の暑さは年々厳しさを増し、2025年のこの夏も例外ではありません。日中の気温は35度を超える日が続き、夜になっても鈴虫の声に涼を感じられる時間はわずか。さらに深刻なのは、雨不足による水資源の問題です。河口湖や琵琶湖といった日本を代表する湖で水位が下がり、普段は水の下に隠れている道や地形が顔を出しているというニュースは、まさに異常気象の象徴といえるでしょう。

このような状況は、単なる観光地の景観の変化にとどまらず、私たちの生活に直結しています。農作物は水を必要とし、雨不足は野菜や米の収穫量を減らし、価格の高騰を引き起こす。私たちの食卓に並ぶ一皿一皿は、自然の恵みと人々の努力の結晶なのだと改めて実感させられます。

技術と自然のバランス

「海には無限の水があるのに、なぜ水不足になるのか？」という問いを耳にすることがあります。確かに、海水を真水に変える“淡水化技術”は存在します。逆浸透膜（RO膜）を用いる方法や蒸発・凝縮を繰り返す蒸留法など、実用化された仕組みもあります。しかし、これらは大量のエネルギーを必要とし、コストの課題から簡単に導入できるものではありません。

同じように「人工的に雨を降らせる」研究、いわゆる人工降雨の技術もありますが、自然を完全にコントロールすることは難しく、安定した成果を得るには至っていません。ここに、人間の技術力と自然との共存の難しさが表れています。

私たちは便利さを追求しつつも、結局は自然の恵みに頼らざるを得ない。その事実を忘れてはいけないのだと、今年の猛暑と水不足は強く教えてくれています。

雨のありがたみを知る

突然の夕立や、しとしとと降る秋雨。普段はわずらわしく感じることもある雨ですが、水不足のニュースを聞くと、まるで宝石のように尊い恵みに思えてきます。

昔から日本では「雨乞い」という風習があり、人々は祈りを込めて空を仰ぎました。それは、農作物を育てる水がなければ生きていけないという、切実な願いそのものだったのでしょう。現代に生きる私たちも、便利なインフラに守られているとはいえ、根本的には自然の循環に支えられています。

ステーキと雨の物語

ステーキハウス和豪で扱う国産黒毛和牛もまた、自然の循環の中で育まれています。牧草を育てる大地に雨が降り、豊かな水が牛たちの命を支える。野菜や米も同じです。お客様にご提供する一皿のステーキ、その横に添えられる旬の野菜や白米の一粒一粒は、雨と大地と太陽の恵みを凝縮したもの。

「今日は少し雨が欲しいな」
そんなつぶやきが、ただの願望ではなく、食の豊かさを守るための祈りになる。そう考えると、雨は決して煩わしいものではなく、むしろ私たちの生活と文化を潤す大切な存在なのです。

自然と共に歩むこれから

私たちは今、自然の力を改めて見直す時代に生きています。技術が進歩し、便利さを手にしても、自然のバランスが崩れればたちまち不安定になる。

和豪では、この自然の恵みを大切にし、お客様にそのありがたさを感じていただける料理をお届けしたいと考えています。鉄板の上で焼き上げるステーキの香ばしさ、旬の野菜が持つ瑞々しさ、白米の甘み。その一つひとつが、自然と人がつむいだ物語です。

どうぞ、今夜の一皿に込められた「自然の恵み」を感じながら、心ゆくまでお楽しみください。

【7月よりランチメニューが新しくなりました】

このたび、7月よりランチメニューを一部リニューアルさせていただきました。
それに伴い、よりシンプルでスピーディーにご提供できる内容へと見直しを行っております。

これまでご好評いただいておりました
ガーリックライスはディナー限定となります。
ランチタイムには、お手軽にお楽しみいただける厳選メニューを引き続きご用意しておりますので、ぜひお気軽にご利用ください。

今後とも、変わらぬご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

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